伝統芸能って、観てみたいけれどひたすらにハードルが高い。
けどいつか観てみたいんや……!
ということで行ってきました「国立劇場」。
初代国立劇場が建て替えになるらしく、最後にぎりぎり間に合ったようです。
歌舞伎座も2010年の建て替えぎりぎり前に滑り込んでいたので、「ぎりぎり」と縁のある人生なのかもしれません。
いきなりそんな教科書でおなじみの近松門左衛門作品を予習なしで行っても大丈夫だろうか。
ルールとかドレスコードとかあるのかな。
何か失礼を働いて常連さんに白い目で見られたらどうしよう。
色々心配していましたが通常の観劇と同じ感覚で大丈夫でした。
20分しかない休憩時間に平均年齢高めと思われるお客さん方がお昼を食べたり休憩するために蜘蛛の子を散らす勢いで一斉に劇場の外に出て行かれた時には「い、異文化…」とつぶやいたりしましたが。
文楽作品は教科書に載っていた写真や、テレビで放送されているものをちらっと見るくらいでした。
正直なところ「古文でお経が聞こえるひょっこりひょうたん島」なのかなあとあまりにも失礼が過ぎる認識で向かったのですが、そんなことは全くありませんでした。
人形がまず想像以上にだいぶ大きい。
そら操るのに3人はいるよなという大きさでした。
3人で操るからこそ、1体1体の芝居が細やかで個性豊かでそこにも驚きました。
太夫さんの唄い?語り?もすごく豊かです。
会場中に深い声がはっきり響いて感動しました。
マイクなしなのだそうです。
めっちゃすごい。
そんな声が出せるようになりたい。
生演奏の三味線も場面を盛り上げてたし、黒子さんたちのおかげで背景が変わったり、場面転換があったり、想像以上に面白かったです。
スペクタクルー!という感じでした。
イヤモニ借りなくても歌詞?が舞台横のビジョンに表示される親切設計で、聞きなれない古語もある程度理解できました。
太夫さんの芝居が素晴らしいので語りだけでも大体分かります。
舞台が大阪近郊のお話だったので、知ってる地名がちょいちょい出てきて親近感が湧きました。
難波で見たら語りがもっと関西弁のニュアンスになったりするのでしょうか。
近松さんが関西で活躍したおっちゃんらしく洒落っ気のある語りだったのも意外でした。
もっと早く見ておけば、興味も湧いて国語か古文か社会の成績も上がったかもしれません。
惜しいことをしました。
これは伝統芸能一般に言えることだと思っているのですが、「伝統芸能」というとものすごく敷居が高く感じてしまうのがもったいないです。
そらまあ……、後継者不足とか言うてるのに何で女の人は演者になれないんだろう。
閉鎖的だなあとか思うところもあったりしますが……。
もっと気軽に色々見に行ければいいなと思います。
他にもまだまだ見たことのない伝統芸能がたくさんあるので、機会を見つけて見に行きたいです!